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2005年10月31日 (月)

海の光

晴れあがった日よりも
ライトグレー、うす曇の今日、
海上の光はやさしくて
いつまでもながめていたいと思った。

こんな想像をする。
世界に生きている、わたしたちは
同じ源から生まれてきた、
光ひとつひとつなんだと。
偶然にもきらめきあって
やがてまた同じところへ
消えるのだと。

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海岸のたき火

小さなたき火でも
生きている
ばちりっ、と炎を弾かせ
煙を海へと流し込む

潮と木の焼ける匂いが
混じり合う

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道草

商店街を歩いていく
本屋、花屋、骨董屋
ひとつ店をのぞいて
ひとつ店を出るたびに
由比ガ浜の町は
夕暮れから夕闇へ
色彩が沈んでいく

道草ばかりしていたから
帰り道はこのまま
見えなくなってしまう

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2005年10月28日 (金)

夕暮れには窓を閉めて

風がつめたくなったから
そっと窓を閉めた

ガラスにうつる、ブルーグレーの夕闇
深い夜の
始まりをのぞきこむ

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逗子は桃色

逗子はももいろ夕焼け雲
みずいろの空をあわく染める

あなたは今もわらっていますか?
わたしは今日もえがおでした

逗子はももいろ夕焼け雲
みずいろの空にあわく滲む

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青黒い波

五羽の海鳥が
波間に、ゆうらり。
朝からの雨は
あがり、夕暮れ。
空の淡い虹色を、映しこんだ海に
立つ波は青黒く、
すでに闇混じる。

歩いてきた砂浜は
黒く濡れ始めていた。
夜と潮は
すうっと、満ちてくる。

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海へ戻す

持ち帰った桜貝は
海へ戻すことにした。

砂浜においたら
波が寄せてきて
花びらが散るみたいに
流れて消えた。

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2005年10月26日 (水)

100年前のゆがんだコップ

100年前に作られた、元キャンドルホルダーを
ちょうどいい大きさだからと
コップとして使っている。

まだ職人がひとつひとつ、
吹いて作っていた頃のものだから
わずかに右に歪んでて
小さな気泡がぽつりぽつり、ガラスの中に入っている。
水を飲むとき唇に触れると、
内側へ少しだけ、縁が丸まっているのもわかる。

1902年、ガラス製品の機械による、本格的な大量生産がはじまって
1909年 人工合成樹脂から作られた、プラスチックが開発された。

このコップ(元キャンドルホルダー)が作られた頃、
どれも微妙にゆがみ、どれも他とは微妙に違うひずみを持った製品が
生み出されていた古い時代はそろそろ終わり、
寸分違わぬプロダクトが多くの人に届けられる、次の時代が始まろうとしていた。

歪みを持つガラスの生き残り。

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桜貝、拾って

桜貝拾って、
丸めた手の中でゆらすようにして
引き始めて砂浜のくぼみにたまった、海の水で洗う

そのピンクは
かざせば
やわらかな曇り空の光の下でも
透けてしまうほど
うすい

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奇跡みたいな朝日

10月26日、午前7時7分。
いつもどおり朝ごはんの仕度をしていて
ふりかえると金色の朝日が
部屋を満たしていた

ちょっとした奇跡みたいにみえた

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2005年10月25日 (火)

クロスする雲

海の上。
オレンジの夕焼けが
かすかに滲み出している墨色の空に
細い雲の筋が2本、
西から東から、伸びてクロスしている。

あの色やかたちは
いったい幾つの
偶然や不思議が重なりつくられるのだろう。
あの色やかたちをなにげなく生み出して見せることは
人にはできない。

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わたしたちはしらない

まるで山の稜線に生えているように見える、木の天辺から
朝日が差し込んできて
屋根を、緑の葉を、床を、金色に照らす。

今日一日これから、何が起こるのか
わたしたちはまだ知らない。

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2005年10月24日 (月)

一杯の水

渋谷の人の多さや汚さには
みんなが眉をひそめるけれど
正午になったばかりの通りは閑散としていて
まだ誰にも荒らされていないように見える。
ビルとビルの間の断ち切られた青い空もさみしく澄んでいて
それが今日の皮膚になじむ感じがした。

ベランダに通じる黒く細長いドアを
土が乾いた鉢植えのオリーブで止めて、開け放している窓際の席。
太陽が差し込んできてグラスに入った一杯の水に反射して
その光が、傷ついたテーブルの上で
とてもきれいにゆれていることに
気がついて眺めていた。
そうしているうちに忘れていたんだけれど
あたし昨日まではさっきまではひどくつらかった。

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2005年10月21日 (金)

闇へ向う少年

「たいへんだ!まっくらになっちゃう!」
田越川沿いを
男の子が叫びながら
自転車のペダルを全速力で漕いで行きます。

信号待ちの車の列。
先頭のその先は
白い街灯が、ちいさく点々と見えるだけの
深い暗闇がはじまっています。

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人生をふりかえる

あっくんさあ
むかしさあ
なにしゃべってたの?
おっぱいのんでたの?

今はひとりでオレンジジュースを飲みながら
赤ちゃんから小さな男の子になった、あっくんが
お母さんに聞いています。

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呼び合いましたか?(2)

カフェの本棚で
大佛次郎の「猫のいる日々」を見つけて
ぱらぱらとめくっていたら
どこからか、緑のリボンを首に巻いたほんとうの猫が
しっぽを揺らしながらやってきました。
ちょちょちょっと舌を鳴らして呼んだら
しゃがみこんでいた足のあたりに近づいてきたので
そのやわらかな背や額をなでました。

そしてまたするりと、どこかへ行ってしまって。

先週は星のことを考えていたら
しらないうちに、星が登場する本を選んでいました。
同じカフェで2回めの
偶然呼び合った、出来事。

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2005年10月20日 (木)

秋晴れの日差し

石垣に伸びるすすきのクリーム色した穂も
コンクリで寝そべる三毛猫の毛先も
オレンジ色に灯った柿の実も
波が丸くした水色のガラスも
砂浜模様の貝殻も
動き続ける海も
飛ぶ鳥も
行く風も
わたしも
あなたも

みんなみんな秋晴れの
日差しに照らされている

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2005年10月19日 (水)

水平線に光の帯

角を曲がった、時には
かたくつかれたこころだったけれど。

R134の向こうには
水平線に銀色、光の帯。

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2005年10月17日 (月)

雨に匂う桜

この匂いを知っている。

傘越しに見上げると
雨に濡れた桜の葉から
薫が滲み出していました。

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2005年10月15日 (土)

リスはどこへいったのか

どんとととととどん、
ひくくひくく、どん、ととととと・・・。

今朝はやたらたくさん
トタン屋根の上で
リスが飛んで鳴いていたのに
今はとおくで
バスのエンジン音やかすかな鳥、
下の階から昼間の
テレビの音が聞こえるだけ。

リスはどこへいったのか。
もう夕方みたいに
ぽつりとひとりぼっちの気持ち。

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揚げたてドーナツと星

ドーナツ型の黒いスタンプを押した、
白い薄い袋に入った揚げたてドーナツ。
紙なしじゃ熱くて持てないのに
口の中にいれたらちょうどよくて
さくりのあとふわりと
溶けてしまった。
袋の中に落ちたシュガーが
さらさら鳴って
星が鳴るとしたらこんな音と思いながら
すじ状にところどころはげた、ブラウンのテーブルの上で
お店にあった、稲垣足穂の文庫をめくったら
ほうき星のお話。

呼び合いましたか?

coya
〒249-0005
神奈川県逗子市桜山8-3-22
営業日&時間:金、土、日 10時~18時
046-872-5156

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2005年10月13日 (木)

オーナーのオリジナルレシピ

ケータイで場所を聞きながら行った、
大町にある、小学校の実験室みたいなギャラリーで
「よかったらどうぞ」って
サービスしていただいたのは
白いカップ&ソーサーに入った、
煮詰めた、甘い柿がかかってる薄い薄いオレンジの
あたたかいムースみたいなたべもの。

こんなのはじめてだ、と思って
食べる前から何だろうって気になって
食べてみてもやっぱりわからなくって
その種明かしは、
「ジューサーで牛乳と柿をまぜるの
 それをレンジであたためただけなの
 砂糖はかかっていないから、煮詰めた柿をかけたの。」

オーナーのオリジナルレシピ。

GENBAGEN
〒248-0007
鎌倉市大町3-1-17
0467-22-4419
定休日:月・火

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白いシーツに影

雲のかけらも見当たらない濃い青空に、
白いシーツをかける。
その上を
両翼を広げた鳶の影が
過ぎていく、朝。

何もかも全部を干してしまおう。

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2005年10月12日 (水)

店の前で泊まる?

「おねえさん、
 ウチはいいコで待ってたら
 いつまでたっても買えなくて
 店の前で泊まることになっちゃうよ
 ほしいのがあったら叫ぶ、叫ぶ」

ぶり、カンパチ、めざし、銀だら。
お刺身?煮る?それとも焼く・・・?
どうしようかと考えていたら
どんどん次々先を越され
お店の人に笑われました。

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潮風がしみる

稲村ガ崎の踏切をこえて。
セブンイレブンを目印に
角を曲がる。
視界のつきあたりは紺の海。
信号を渡って
R134沿いを自転車で漕いで帰る。

いくら白くてきれいになっても
削ってつめたところはもう、自分の歯じゃない。
下り坂に入ったところで
歯にちょっと舌先で触れてみたりして。

潮風に治療したばかりの歯がしみる。

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金木犀あつめて

ひさしぶりの晴れた朝に

石段に
降り積もった金木犀を
掃き集めてく

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2005年10月11日 (火)

オレンジに染まる

昨日より無数。
石段が
秋雨で落ちた金木犀の
オレンジに染まっている。

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2005年10月10日 (月)

女郎蜘蛛

アパートの軒先や木の枝、手すりを
うまくつないで
おなかに赤の斑点と黄色い縞模様がある、
3センチほどの女郎蜘蛛が巣を作り
風が吹くとふるんふるんと
体を揺らす。

まだうんと小さかった頃、生まれた家には梅の木があった。
そこでもやっぱり、大きな女郎蜘蛛が
うまい具合に巣を作っていて
縁側で絵本を読む合間に、それを見上げた。
わたしがいることに気づくと隣のお兄さんは
直射日光の下で本を読むと目が悪くなるよって
教えてくれた。

あの頃も、
気持ち悪いなあとか、うまいなあと思いながら
蜘蛛と巣を眺めていた。
鎌倉にいると、時々、
小さかった頃の気持ちに戻ってしまう。
それは心地よいのとは逆の、切なくて悲しい感じだ。

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間借りしている

雨が止んだから
カンカンとやたら高く鳴る階段から続く、
2メートルほどの通路を掃きに外に出た。

今日も突き当たりの壁際に
細くて黒くて小さな、台湾リスのフンが
ひとつふたつ落ちている。

そういえば今朝も屋根にどんと飛び乗って駆けて行き
台所の、窓の外でひくひくひくとひとしきり鳴いてから
またどこかへ飛び移り去っていった。

わたしはてっきり、
今日は一日降っていると思っていたのに
あの台湾リスは、雨が止むことが
何となくでも、わかっていたのだろうか。

そもそも、台湾リスには
誰が住んでいようとこのアパートは
通り道にしか過ぎない。
こちらが後からやってきて
暮らしはじめただけのこと。
わたしは新参者なのだ。

そして台湾リスがやってくるずっと前から
鎌倉の自然はここに在る。

アパートを借りているように
わたしは自然の中にちょいと
間借りさせてもらっている。

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皮の思い出

剥いた皮の白い、内側を
ぺたんとさらしていることが
恥ずかしくて
オレンジの方に折り返し
へたを上にして
ひらぺったく丸い形に戻した。

指先からみかんの香りがしていた。
好きな人の前だった。

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黒砂糖と牛乳とおろししょうが

黒砂糖をこりこりと
木べらでホーローの底に押し付けて
溶かしながら温めていたら
牛乳がほんのり、やわらかなベージュになった。
最後に落としたおろししょうがが
じりんっと、のどにしみた。

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石段に散る

降り続く雨に重く、
閉める石段に
散り散り落ちる、オレンジの
小さな小さな金木犀。

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2005年10月 3日 (月)

フレームに鳥

水平線の光の帯を
双眼鏡で眺めていたら
丸いフレームいっぱいに
鳶がしゅっと
飛び込んで来ました

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2005年10月 2日 (日)

夕暮れのはじまり

 

山の緑はほのかに白い、光に包まれ
空気には奥深い、冷たさが混じり
鈴虫がぽつりぽつりと、鳴きはじめ
いつの間にか鎌倉 
夕暮がはじまっていした

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